純水とミネラルウォーターの最大の違いは、ミネラル成分をはじめとする不純物が除去されているかいないかです。
つまり、ミネラルウォーターがミネラル成分を摂取することを目的としているのに対し、純水はミネラル成分をはじめとする不純物を可能な限り除去することで、身体への影響を最小限に抑えることを目的としているということです。
目的が異なるということは、使い方やそれぞれの水に適している人も異なります。
つまり、特徴を理解し、正しい使い方や飲み方をしなければ、逆効果になる可能性もあるということです。
では、ミネラル成分をはじめとする不純物が除去されているかいないかの違いによって、私たちの身体にはどのような影響があるのでしょうか?
今回は純水とミネラルウォーターの違いについてご紹介します。
不純物のメリットとデメリット
水に含まれる不純物にはメリットとデメリットがあります。
水に含まれているミネラル成分のバランスがよければ、甘みや味わいを感じることができ、美味しく水を摂取することができます。
また、炭酸ガスや酸素が適度に含まれている水は、血液の流れを活発にするといわれています。
逆に、水に含まれるカルキやカビによって、臭いや味を損ないマズいと感じることがあります。
また、ミネラル成分は本来身体に必要なものですが、ミネラル成分が過剰に含まれているミネラルウォーターは苦味を感じたり、下痢などの症状の原因となることがあります。
つまり、純水とミネラルウォーターの違いは、不純物によるリスクとリターンの大きさの違いと解釈することができます。
不純物によるデメリットを考慮した場合、純水は、安全性が高いと判断することができます。
赤ちゃんの、ミルク作りの水として人気が高いのも、このような理由からでしょう。
純水には種類がある
一般的に言われている純水と、ミネラルウォーターの中で言われている純水とは違います。
一般的に言われている純水は、蒸留水などの不純物をまったく含まない水のことで超純水ともいわれるのに対し、ミネラルウォーターの中でいわれている純水とは、ピュアウォーターとも呼ばれ、フィルターなどを使って不純物を取り除いたものです。
超純水と呼ばれている純度の高い純水は、一般的にマズいといわれています。
なぜならば、水に含まれる不純物は旨味成分でもあり、不純物をまったく含んでいないのであれば、味を感じることができないからです。
また、超純水と呼ばれている純度の高い純水は管理も大変です。
なぜならば、純水は大気に触れただけで空気中の不純物を取り込み、純水ではなくなるからです。
純度の高い純水は、洗浄や冷却目的として使われるのが一般的で、飲料用としてはあまり出回っていません。
飲料用として出回っている純水としては、ピュアウォーターと呼ばれているものが一般的でしょう。
不純物を除去できるRO水
ピュアウォーターの製造に使われているろ過方法としては、RO水と呼ばれる逆浸透膜を使った方法がもっとも一般的ですが、フィルタの状態によって除去率は大きく変わってきます。
つまり、逆浸透膜を使ったろ過によって不純物を除去できるという表現は、すべての不純物を除去できるとは限らないということです。
不純物を除去できるという表現は、除去ができるかできないかと聞かれたら、できるという意味で、実際の除去率は100パーセントではないかもしれません。
実際の成分表示においても、不純物ゼロと不純物が0.001mg未満とは意味が大きく異なります。
また、放射線が含まれていないことと、放射能が検出されないとでは意味が大きく異なります。
つまり、ピュアウォーターは、不純物ゼロの水ではなく、身体への影響を与える不純物を極力抑えた水といえるでしょう
また、旨味を感じるということは、味覚として感じることができる何からの不純物が含まれているということです。
ピュアウォーターの中には、飲みやすくすることを目的に、ろ過した後に不純物を加えているものもあります。
水に含まれるミネラル成分の影響を受けやすい赤ちゃんなどにピュアウォーターを飲ませる場合には、実際の除去率は100パーセントではない可能性があることを前提に、ホームページなどで公開されているミネラル成分を含有量を確認し、選ぶようにしましょう。