ミネラルウォーターを沸騰させることは、安全性を高める上において有効な手段です。
しかし、沸騰させたからといって、すべての面においてメリットがあるとは言い切れません。
たとえば、ミネラルウォーターを沸騰させることにより、殺菌効果は期待できますが、ミネラル成分を取り除いたり、変化させたりすることはできません。
また、ミネラルウォーターを沸騰させても、放射能物質は除去することはできません。
つまり、ミネラルウォーターを沸騰させることによって、どんな効果があるのかを理解しなければ、望む結果を手に入れることは難しいということです。
今回は、ミネラルウォーターを沸騰させることによる効果についてご紹介します。
塩素が含まれるボトルドウォーター
日本で製造されたミネラルウォーターは、殺菌処理が義務付けられています。
つまり、殺菌済みのミネラルウォーターを殺菌目的で沸騰させることは、あまり意味がないということです。
ただし、殺菌状態であるのは未開封のミネラルウォーターであり、一度開封したミネラルウォーターは空気と触れることにより、細菌に侵され徐々に腐敗が進行していきます。
ペットボトルの注意書きに「開封後はお早めにお飲み下さい」と記載されているのも、開封後は徐々に腐敗が進行していくからです。
このように考えると、殺菌を目的にミネラルウォーターを沸騰させるのであれば、対象となるのは、開封後時間が経過しているミネラルウォーターや、主にヨーロッパなどで製造されている殺菌処理が行われていないミネラルウォーターとなります。
また、宅配水などで使われているウォーターサーバーなどについても、使用することでボトル内に空気が侵入し、空気中に含まれる細菌とボトル内のミネラルウォーターが接触する可能性があります。
つまり、ウォーターサーバーは一度でも使えば開封した状態となり、細菌に侵され徐々に腐敗が進行していく可能性があるということです。
容器に保管されているからといって無菌状態とは限りません。
開封後の賞味期限を確認したり、開封後時間が経過したミネラルウォーターについては沸騰させることによって、細菌による悪影響を減らすことができるでしょう。
ミネラルウォーターを沸かすと、ミネラル成分は?
ミネラルウォーターを沸騰させても、ミネラル成分が失われれることはありません。
なぜならば、ミネラルウォーターのラベルに記載されているミネラル成分は元素であり、元素は加熱することにより変化することはないからです。
ミネラル成分が変化しないということは、加熱し沸騰させお茶や紅茶として飲んだりお料理に使ったりしても、ミネラル成分をそのまま身体の中に摂り入れることができるため、ミネラル成分の摂取を目的としている方にとっては、大きなメリットとなるでしょう。
しかし、赤ちゃんとミネラルウォーターについての記事でご紹介したとおり、ミネラル成分を多く含むミネラルウォーターは、赤ちゃんには適していません。
つまり、沸騰によりミネラル成分が変化しないということは、赤ちゃんにとってはデメリットだということです。
ミネラルウォーターを沸騰させれば、誰でも安全に飲むことができると思い込んでしまうことは危険です。
特に、赤ちゃんや腎臓などに疾患を抱えている方など、ミネラル成分が悪影響を及ぼすことが考えられる場合には充分注意しましょう。