ミネラルウォーターの定義は、意外とあいまいです。
なぜならば、日本でミネラルウォーターと呼ばれているものは、ヨーロッパではミネラルウォーターと呼ばれることはないからです。
また、ミネラルウォーターだからといって、普通の水よりも優れていると思い込んでしまうことも非常に危険な考え方です。
なぜならば、ミネラルウォーターは、しょせん、水の種類のひとつであり、健康な身体を維持するためのひとつの方法にすぎないからです。
日本で販売されているミネラルウォーターは、どのような定義付けがされていて、どのように分類されているのでしょう。
今回は、ミネラルウォーターの定義について、考えてみます。
ミネラルウォーターは魔法の水ではない
「ミネラルウォーターには、どんな種類があるの?」の記事の中でもご紹介していますが、日本で製造されているミネラルウォーターは、ミネラルウォーター類の品質表示ガイドラインの基づき、大きく4種類に分類することができます。
そして、これら4種類のミネラルウォーターは殺菌処理することが義務付けられています。
一方、ヨーロッパで製造されたミネラルウォーターは、「日本のミネラルウォーターと海外のミネラルウォーターは何が違うの?」の記事の中でご紹介したとおり、殺菌処理が行われていないのが当たり前です。
この殺菌処理の違いは、国によるミネラルウォーターの定義の違いと考えることができます。
つまり、日本では殺菌処理されたものがミネラルウォーター、ヨーロッパでは殺菌処理されていないものがミネラルウォーターだということです。
また、日本で製造されているミネラルウォーター類の中には、ボトルドウォーターを呼ばれる種類がありますが、ボトルドウォーターの水源は天然水でなくても問題ありません。
つまり、たとえば水道水をボトリングしただけでも、規格さえクリアしていればボトルドウォーターという名称のミネラルウォーター類として、販売することが可能だということです。
殺菌処理されていてもいなくてもミネラルウォーター類、水源が天然水でも水道水でもミネラルウォーター類、ミネラルウォーターは天然の水とイメージしている人からすれば違和感を感じずにはいられないかもしれませんが、これが日本におけるミネラルウォーターの定義です。
ミネラルウォーターは、特別な水ではありません。
特別な水だと思い込むことは、ミネラルウォーターの定義から考えれば、過剰な期待であることは明白です。
ミネラルウォーターだから健康に効果があるのではなく、自分の身体に適した水分を身体に摂り入れるからこそ健康に効果があるのだということを覚えておきましょう。
ミネラルウォーターという定義による壁
ミネラルウォーターを飲み続ける人の多くが、水の安全性や健康への影響を理由としていますが、身体への影響を考えるのであれば水だけに注意するだけでは不十分です。
たしかに、ミネラルウォーターを適性なタイミングで適切な量を飲むことにより、血液の循環を促進し、老廃物を身体の外側へ排出させる効果が期待できます。
しかし、身体への影響を考えるのであれば、食べ物や運動などを含めた生活スタイル全体にこだわるべきでしょう。
ミネラルウォーターにこだわっている人は、ミネラルウォーターという定義の壁を超えられない人です。
ミネラルウォーターのマニアで、ミネラルウォーターを飲むことだけを目的としているのであれば、それで充分かもしれませんが、身体への影響を考えるのであれば、ミネラルウォーターという定義の壁を超え、健康的な食べ物、健康的な生活スタイルなどの広い尺度で考える方が、より健康への近道だといえるでしょう。
水分を補給するという目的を考えてみても、ミネラルウォーターに限定する必要はありません。
安全性の高い浄水器を使うのもひとつの方法でしょうし、安全な牛乳や果物から摂取する方法も有効でしょう。
つまり、「水分補給はミネラルウォーター」という定義を取り払うことによって、新たな可能性が見えてくるかもしれないということです。
ミネラルウォーターを飲むことは健康に効果的な方法のひとつですが、ミネラルウォーターを飲むこと以外にも方法はいろいろあります。
健康になるための選択肢をたくさん持つことにより、余裕をもってミネラルウォーターを選ぶことができるようになるでしょう。