「レンタル料無料で、ウォーターサーバーを試すことができます」
ウォーターサーバーのサンプルが置いてあるテナントなどで、このようなチラシを目にすることがあります。
無料と言うフレーズは、非常に魅力的な宣伝文句です。
そして、無料という魅力に誘われテナントに足を踏み入れた途端、早速スタッフによる営業トークが始まります。
営業トークは決して悪いものではありません。
ただし、ウォーターサーバーのことをあまりよく知らない方にとって有益な情報を分かりやすく紹介すれば、という条件付きですが・・・。
これからウォーターサーバーを選ぼうかと思っているあなたにとって、有益な情報がたくさん詰まっている営業トークは、まさに宝の山です。
しかし、宝の山には、まがい物の宝や見た目だけ豪華な宝が紛れ込んでいるかもしれません。
では、本物の宝を見つけるためには、どのようなことに注意すればいいのでしょう。
今回は、ウォーターサーバーで気をつけるべき営業トークについて考えてみます。
水道水と比較する営業トーク
ウォーターサーバーの営業トークの中で、水道水を比較対象とするケースが多く見受けられます。
「水道水は危険であり、ウォーターサーバーは水道水に比べこんなにも優れていますよ」というのが、よくありがちな話の流れです。
しかし、ここで考えなければならないのが、本当に水道水はウォーターサーバーに比べ危険なのかということです。
なぜならば、水道水は水道法によって定められた50種類にのぼる検査規準がありますが、ウォーターサーバーで使われているミネラルウォーターは食品衛生法による19種類の基準値しかないからです。
また、水道水は殺菌を目的に、蛇口をひねった時点の水に塩素が含まれていることが法律によって義務づけられています。
つまり、塩素が含まれていることは、雑菌に汚染させていない水と考えることができるのです。
これに対し、ウォーターサーバーで使われる水の多くは、熱処理による殺菌が行われていることが多いため、ほとんど塩素は含まれていません。
そして、塩素の有無は、水の安全性をアピールするパフォーマンスとしては意外と有効なのです。
たとえば、水道水とウォーターサーバーの水が入った水をコップの中に用意し、塩素と反応する試薬を垂らせば、塩素が含まれている水道水は濁り、塩素が含まれていないウォーターサーバーの水は変色しません。
濁ったコップの水と透明のままのウォーターサーバーの水を並べ、目の前で見せられたら、あなたはどう考えるでしょう。
確かに、塩素が多量に含まれている水道水はカルキ臭が強く、まずく感じるかもしれません。
塩素が含まれていることによって、発がん性物質であるトリハロメタンによる身体への悪影響も考慮する必要があるでしょう。
しかし、水道水に含まれている塩素は安全性を確保するために必要不可欠であり、常識的には基準値の範囲内であれば身体への影響はないと考えられているのです。
水道水に含まれている塩素にはメリットもデメリットもあります。
おいしい水という視点で水道水とウォーターサーバーとを比較すれば、塩素が含まれていないウォーターサーバーに軍配が上がるのでしょうが、おいしい水が安全な水だとは言い切れません。
水道水に含まれる塩素は、悪者でもあり正義の味方でもあることを覚えておいてください。
なお、試薬を垂らす方法以外にも、化学反応により不純物を生成したり、計測器による計測結果を見せながら数字が大きいほど危険などと説明する場合もあります。
事実はひとつ、解釈は人ぞれぞれです。
くれぐれも、偏った解釈に振り回されないようにご注意ください。
体験談による営業トーク
ウォーターサーバーの営業トークは、初心者が理解するためには分かりやすくすることが必要です。
にもかかわらず、パンフレットの中には、あえて私たちを混乱させることを目的とするような、難しい用語を多用しているものが少なくありません。
初心者には分かりにくい用語を何かに例えたりして、分かりやすく説明するのが、初心者にとって優しい営業のはずです。
マニュアルに書かれている内容だけを伝えるだけなら、人ではなく機械で十分です。
相手に合わせた対応ができるからこそ、営業トークの価値は高まるのです。
また、こちらから分からないことを質問した時、一生懸命パンフレットを読みながら説明するスタッフさんがいますが、本当にウォーターサーバーのことを理解しているのであれば、マニュアルなど見なくても、ある程度の説明はできるはずです。
つまり、しょせんその程度のスタッフや営業トークは、ウォーターサーバーを使う人のことを考えておらず、自分がウォーターサーバーを売りたいだけの営業トークだということです。
また、すでにウォーターサーバーを利用している方の体験談にも注意が必要です。
なぜならば、体験談とウォーターサーバーとの間に本当に因果関係があるかは分からないからです。
たとえば、「ウォーターサーバーを飲み続けて、私は身体の調子がよくなりました(60代女性)」という体験談があったとしましょう。
健康を気にしている60代の女性ならば、ウォーターサーバー以外にも健康食品やサプリメントなどを利用している可能性はないでのしょうか、ウォーターサーバーだけでなく、それらの相乗効果により身体の調子がよくなった可能性は考えられないでしょうか。
疑ってかかればキリがありませんが、体験談というのはあくまでも体験者本人の主観であり、あなたにも同じ効果があるとは言えません。
ウォーターサーバーの営業トークは、比較を重ねることで少しづつ見極めができるようになります。
ウォーターサーバーには、期間限定などの特典が付加されている場合があり、そのようなケースでは瞬時に判断する決断力が必要不可欠です。
しかし、正しい決断力を磨くためには、それなりの時間と経験が必要だということも覚えておきましょう。