ミネラルウォーターと水道水は同じ水ですが、身体に与える影響は大きく異なります。
また、都市部の水道水はまずいと感じるのにも、理由があります。
今回は、ミネラルウォーターと水道水の違いについてご紹介します。
水道水は塩素による殺菌が必要不可欠
日本の水道水は、蛇口から水が出るまで塩素(カルキ)が残っていなければならないことが、法律で義務付けられています。
塩素(カルキ)には水の中に含まれる汚れや菌を殺す作用があり、安全性という面では非常に優れていますが、塩素が含まれていることにより水がまずく感じることがあったり、食材に含まれるビタミンを破壊してしまうともいわれています。
また、塩素の使用量は原水の水質によって異なり、水質が良ければ塩素量は少なくなりますが、水質の汚染が進んでいる場合には塩素量も増えていきます。
つまり、同じ水道水でも地域によって含まれている塩素の量が異なるため、味が違うのです。
一方ミネラルウォーターは、加熱処理やオゾン殺菌、ろ過フィルターによる除菌などの方法により殺菌処理するのが一般的で、塩素を使う水道水の殺菌方法とは大きく異なります。
水道水に比べミネラルウォーターが美味しいと感じる理由のひとつが、この殺菌方法の違いです。
なお、日本で製造されるミネラルウォーターは殺菌処理が義務付けられていますが、ヨーロッパで製造されるミネラルウォーターについては水質や水源周辺の環境が厳しく管理されているため殺菌は必要ないと判断されています。
身体に有害なトリハロメタン
塩素により殺菌が行われた水道水の中にはトリハロメタンという物質が発生します。
トリハロメタンは殺菌に使用する塩素量に比例するため、都市部など水質の状態が悪い地域ではトリハロメタンの量も多くなります。
トリハロメタンは人体に有害な発ガン性物質であり、大量に摂取することでガンの引き金になることはもちろん、肝臓障害や腎臓障害を起こす危険性があるといわれています。
つまり、水道水の安全性を保つため塩素による殺菌は必要不可欠ですが、殺菌に必要な塩素により発ガン性物質であるトリハロメタンが含まれているのが、水道水の現状だということです。
トリハロメタンは、ガンの引き金になるばかりでなく、アトピーや喘息などのアレルギー症状を悪化させるともいわれているため、健康な身体を維持したいと考えるのであればミネラルウォーターを利用したり、煮沸や浄水器の使用による対策を講じることが有効でしょう。